Excel関数は、難しい計算を覚えることから始めなくても大丈夫です。まずは「どのセルを、どのように処理するか」を式で指定する道具だと考えます。この記事では、売上表を例に、入力・計算・判定・検索の順番で基本を確認します。
VISUAL GUIDE
Excel関数が結果を出すまで
関数は、元データを直接書き換えず、指定した範囲から結果を作ります。元データの場所を正しく指定することが最初のポイントです。
1. 数式は「=」から始める
Excelのセルに計算式を入力するときは、最初に半角の「=」を付けます。セル番地を使うと、元の数字を変更したときにも結果が自動で更新されます。
たとえば、A2に単価、B2に数量が入っている場合、C2に「=A2*B2」と入力すると、C2に金額が表示されます。数字を直接書くより、どのセルを計算したかが後から分かりやすくなります。
=A2+B2
=A2*B2
=ROUND(C2,0)| セル | 意味 | 入力例 |
|---|---|---|
| A2 | 単価 | 1200 |
| B2 | 数量 | 3 |
| C2 | 金額 | =A2*B2 |
2. SUMとAVERAGEで合計・平均を出す
複数のセルを足すときはSUM関数を使います。売上金額がD2からD6に並んでいるなら、「=SUM(D2:D6)」で範囲内の合計を計算できます。コロンは「D2からD6まで」という意味です。
AVERAGE関数は平均を計算します。空白セルは通常、平均の対象から除外されますが、文字やエラー値が混じると意図した結果にならないことがあります。入力範囲を確認してから使いましょう。
=SUM(D2:D6)
=AVERAGE(D2:D6)- 合計はSUM
- 平均はAVERAGE
- 範囲は「始点:終点」で指定する
3. IFで条件に応じて表示を変える
IF関数は、「条件に当てはまるとき」と「当てはまらないとき」で表示を分ける関数です。売上金額が10,000円以上なら「確認」、それ以外なら「通常」と表示する例を見てみます。
文字を表示するときは、文字列をダブルクォーテーションで囲みます。比較する数字やセル番地には、通常ダブルクォーテーションを付けません。
=IF(D2>=10000,"確認","通常")ポイント:条件を増やしたい場合は、まず一つの条件で正しく動くことを確認してから、IFを組み合わせます。最初から長い式にすると、どこで間違えたか分かりにくくなります。
4. COUNTIFで条件に合う件数を数える
COUNTIF関数は、指定した範囲の中から条件に合うセルの数を数えます。たとえば、E2からE20に「未処理」「処理済み」と入力されている場合、未処理の件数を確認できます。
条件を文字で指定するときは、文字列をダブルクォーテーションで囲みます。「未処理」の件数が0になったかを確認するだけでも、作業漏れのチェックに役立ちます。
=COUNTIF(E2:E20,"未処理")5. XLOOKUPで別表から情報を呼び出す
XLOOKUP関数は、商品コードや社員番号などを手がかりに、別の表から対応する情報を呼び出します。A2の商品コードを、H2:H10から探し、見つかった行のI2:I10にある単価を表示する例です。
「$H$2:$H$10」のようにドル記号を付けると、式を下の行へコピーしても検索範囲がずれません。最後の「該当なし」は、コードが見つからないときに表示する文字です。
=XLOOKUP(A2,$H$2:$H$10,$I$2:$I$10,"該当なし")ポイント:XLOOKUPが使えないExcelのバージョンでは、VLOOKUPなど別の方法が必要です。職場のExcelのバージョンが分からない場合は、共有前に小さなサンプルで動作を確認してください。
6. 10分でできる練習方法
新しい関数を覚えるときは、空白のブックに小さな表を作り、関数を一つずつ入力します。最初から実際の顧客情報や機密データを使わず、架空の数字で動きを確認するのが安全です。
最後に、元の数字を一つ変更して結果が変わるか、対象範囲を一行増やしたときに計算から漏れないかを確認します。関数名を暗記するより、入力・結果・確認の流れを繰り返す方が実務で使いやすくなります。
- 架空の売上表を作る
- SUM・IF・COUNTIFを一つずつ試す
- 値を変更して結果の更新を確認する
- 式をコピーしたときの範囲を確認する
Excel関数は、名前をたくさん覚えることより、元データの範囲と欲しい結果を対応させることが大切です。まずはSUM・AVERAGE・IF・COUNTIF・XLOOKUPを小さな表で試し、結果が変わる条件まで確認しましょう。